バンコクの洪水は確実に終息へ向かっているが、今回の増水量には驚いてしまう。12月に入ってもチャオプラヤー川の水位は決して下がってはいない。アユタヤ、ロッブリ、パトュムタニ県などバンコク都北部の近隣県ではまだ水が溜まったままの状態が続いている。バンコク市内で水が引いていない地域では、行き所を失ったゴミが大きな袋ごと流れ溜っている。汚水も流れ込んでいるので、状況は厳しい。救いはタイの人々が平常心を失っていない事だ。洪水真っ最中も食料や飲料の買いだめパニックは、ごく一部に起きただけでみんな冷静で落ち着いた行動をとっていた。
今回は50年に一度の大洪水と言われているが、来年も起きないという保証はない。森林の乱伐と農地化、アグリモノカルチャー、無秩序な都市化、公共治水事業の遅れなど、洪水を大型災害に導いてしまう歴史的・構造的現実は直ぐには変わらないと指摘されている。
(写真はタクシン橋近辺から海に向かうチャオプラヤー川)
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