五郎:タイでは家族関係が濃いというか、お互いに助け合う関係が強いように思うけど、
どうだろう?
スワンニー:それは言えます。家族をとても大事にしますね。
ソムチャイ:家族の境界がはっきりしない・・・というのもあります。どこまでが家族なのか!
五郎:たとえばどんな場合?
ソムチャイ:それは前にも話し合ったことがあります。
それよりも私は、家族の中に入り込んでくる「非家族」が日本とは格段に違うと思います。
五郎:家族の中の「非家族」って難しいね。
スワンニー:そういうこと、良くあります。
私の叔父は村で雑貨屋さんやってますけど、とても大家族です。
というか、家族じゃない人が家族の中に入ってますね。
五郎:分からないな〜!?どんな感じで?
スワンニー:高校生だった娘さんがお友達の同級生を家に連れてきたんです。
何回か泊っていくようになって、とうとう居ついちゃったんです。
ところが、その同級生は同性なんだけど、女を好きな女の人なんです。
五郎:ということは、世の中で言う「レスビアン」?
スワンニー:どう言えば良いのか私にはわかりません。
その女性は、言葉は「オトコ言葉」ですし、服装も態度もオトコのようにしています。
五郎:他の家族はどうしてるの?
スワンニー:お母さんは反対なんだけど、当人には何も言わないですね。
叔父も何も言いません。兄弟たちは無視している感じですけど、
食事はいつもみんな一緒ですし・・・、高校から続いていて娘さんはもう大学生です。
五郎:その「居座り」・・・?の女性はいつもは何してるの?
スワンニー:雑貨屋さんの手伝いしたり、何となく・・・。
五郎:その女性の両親はどうなってんだろう?
スワンニー:何も言ってこないし、家は分かってるけど両親同士は行き来がないですね。
ソムチャイ:家族の中に同居する「非家族」は日本でも昔はあったって聞いたことありますけど。
五郎:日本は「核家族」を通り越して「原子家族」(夫婦二人やらひとり暮らし)になっちゃった。